【大阪労働局 安全課長】令和3年を振り返って

大阪労働局 労働基準部 安全課長  堀  幸 男

 

 建設業労働災害防止協会大阪府支部及び会員の皆様には、平素から労働行政の推進、とりわけ労働者の安全確保対策に格別の御理解と御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

 令和3年も一昨年と同様に新型コロナウイルスに悩まされた年であり、多大なる影響を受けた年でした。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発令で、あらゆる事柄が制限された年であったと思っております。その中でも、我々は工夫を凝らし、改善を重ね、できることを模索した年であったとも思っております。特に、1年延長し無観客で開催されました2020東京オリンピックが開催前や開催中に色々と物議を醸しながらも工夫と改善で成功を収めたように、我々もコロナ禍であっても様々な工夫や改善を重ねながら着実に前を向き、仕事や生活を新しい波に調和させてきた年ではないかと思っています。

 しかしながら、大阪においては新型コロナウイルスの爪痕はひどく、痛ましいものでした。労働災害においても、131日の速報値において、令和3年の死傷災害は10,723件31.9%の大幅な増加となり、2,300人以上が新型コロナウイルス関連の災害となっております。建設業でも、死傷災害は753人と15.1%の増加となり、130人の方が新型コロナウイルスで被災され、大幅な増加となっております。
 新型コロナウイルスの労働災害で死亡された方は速報値で12人ですが、建設業ではいらっしゃいません。しかし、令和3年の建設業における死亡災害は15人と一昨年より3人増加し、そのうちの2人が墜落・転落災害であり、死亡災害の40%を占める状況となっております。墜落・転落災害防止措置として、令和412日から旧規格の「安全帯」の使用ができなくなっております。適切な「墜落制止用器具」の使用を、「命綱GO活動」の取り組みと合わせて御指導いただきますよう、よろしくお願いいたします。

 大阪労働局では、1月~3月期の死亡災害を減少させることが、死亡災害減少に大変重要であると考え、当該期間を「冬季死亡災害防止強化期間」とし、死亡災害防止に取り組んでおります。重点項目として、墜落・転落災害防止、交通労働災害防止、高年齢労働者の災害防止等を掲げています。

 本年は第13次防の最終年度となっております。目標達成のため、何卒皆様の御協力をよろしくお願いします。