【大阪労働局 安全課長】令和5年を振り返って

小野安全課長

 

 建設業労働災害防止協会大阪府支部及び会員の皆様には、平素から労働行政の推進、とりわけ労働者の安全確保対策に格別の御理解と御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

 令和5年度は大阪労働局第14次労働災害防止推進計画の初年度であり、大阪独自の運動として「安全は人々を満足させ、輝く笑顔にします」をスローガンに掲げ「大阪発・新4S運動」を展開し、事業者の自主的な安全衛生活動の推進を図ってまいりました。

 安全(Safety)・満足(Satisfy)・輝く(Shine)・笑顔(Smile)の頭の文字をとって新4Sとしています。

 ひとたび労働災害が発生すると、生産のストップや労働力の補填などに追われ、納期が遅れるなど顧客先にも影響を与えかねません。

 安全で安心な労働環境は労働者に働きやすいという満足をもたらし、生産性や技術の向上等により、質の良いものを提供出来ることで顧客も満足し、皆が輝く笑顔になることができます。

 「大阪発・新4S運動」は、安全で健康に働くため、労働者の理解を得て労使が一体となり安全の基本である4S(5S)整理・整頓・清掃・清潔・(躾)を基盤にヒヤリハット事例収集からKY活動、リスクアセスメント、労働安全衛生マネジメントシステムへとステップアップさせ、自主的な安全衛生活動を活性化していく安全文化運動です。

 この運動は、「大阪労働局第14次労働災害防止推進計画」の目標を達成するため、4つの活動「安全見える化活動」「安全Study活動」「リスク評価推進活動」「命綱GO活動」を展開しています。

多様な働き方や外国人労働者など、互いに多様性を理解し合い、全ての労働者の安全と健康が確保され、人々が就労する安全衛生環境に満足し、輝く笑顔で働くことができる職場の実現に向けて取り組んでいます。

 建設業の皆様にも「大阪発・新4S運動」の趣旨をご理解いただき、お取組みいただきますようお願いいたします。

 令和5年の大阪府内における労働災害による死亡者数は1月末日速報値では全産業で33人と昨年同期より13人減少しましたが、死傷者数は1月末日速報値で新型コロナウイルス感染症を除き全産業で8,744人と前年同期より5.2%増加しました。そのうち、建設業では620人で前年同期より3.3%増加し、死亡者数についても13人と昨年同期より1人増加しています。労働災害の減少のため、貴支部の取り組みと会員事業場の皆様のご努力を引き続きよろしくお願いいたします。

 建設業界が魅力的であるためにも、安全で安心な大阪として1年後に開幕の大阪・関西万博では、日本の建設業の技術力で世界の方々を魅了していただきたいと願います。

 今年度は誠にありがとうございました。次年度もどうぞよろしくお願いいたします。