【大阪労働局長】新年のご挨拶

荒木 祥一 局長

 新しい年を迎え、謹んで新春のお慶びを申し上げます。

 建設業労働災害防止協会大阪府支部支部長様並びに会員事業場の皆様方には、平素から労働行政の推進、とりわけ、建設業における労働災害防止対策に対し、格別の御理解と御協力を賜り、厚く感謝申し上げます。

 「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマとした、「2025年日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」)」の開幕が来年4月に迫りました。今年は関連工事の本格化が見込まれ、多数の建設工事従事者の就労が予想されます。労働災害防止に向けた取組の強化が必要であり、皆様方の一層のお力添えを賜りますよう宜しくお願いいたします。

 昨年の大阪府内の建設業における死亡災害は、令和51130日現在12人と前年同期と同数でしたが、新型コロナウイルス感染症によるものを除いた休業4日以上の死傷災害は、令和5年10月末現在494人と前年同期と比べ48人(10.8%)増加し、土木工事業、建築工事業、その他の建設業のいずれも前年同期より増加しています。

 建設業における労働災害を減少させ、墜落・転落災害の撲滅を目指し、大阪労働局では「大阪発・新4S運動」の活動の一つとして「命綱GO(いのちつなごう)活動」を展開しています。

 昨年の死亡者の半数以上が「墜落・転落」によるものであり、基本的な墜落防止措置が講じられていない災害や墜落制止用器具を装着していながらも使用していなかったために墜落した災害が後を絶ちません。

 墜落・転落による死亡災害を発生させないためにも、高所作業では、法令で定められた基本的な墜落防止対策を確実に実施していただくとともに、二丁掛け墜落制止用器具を装着するだけでなく、使用の徹底を図る命綱GO活動の積極的な取り組みをお願いします。

 大阪労働局及び管下の労働基準監督署では、年始にあたり、死亡災害が発生しないよう、1月から3月の期間を「冬季死亡災害防止強化期間」と設定し、墜落・転落災害や交通労働災害を中心に各建設工事現場に対する死亡災害防止に係る指導を積極的に取り組んで参ります。

 今年41日からは、新たな化学物質規制が本格適用されます。また、建設業において5年間適用が猶予されていました時間外労働の上限規制につきましても今年41日から適用されます。

 これらの改正に適正にご対応いただき、安心・安全な職場の実現に向け、さらなる御支援と御尽力をお願いいたします。

 結びに、建設業労働災害防止協会大阪府支部の御発展と会員事業場の皆様方の御多幸を心から祈念いたしまして、新年の挨拶とさせていただきます。