新年のご挨拶

建設業労働災害防止協会 大阪府支部 支部長 錢高 久善

 新年あけましておめでとうございます。旧年中は、建災防大阪府支部の事業活動に多大なるご支援とご協力を賜りましたこと、心より厚くお礼申し上げます。

 昨年は、ロシアのウクライナ侵攻に端を発して海外情勢の緊迫度合いが増し、また急激な円安による生活必需品の値上げなど日常生活が大きな影響を受けました。加えて、建設関係者の皆様におかれましては、建設資材の高騰や調達の遅れ、未だ収束しないコロナ禍による建設現場内での工程管理など気苦労の絶えることがない1年であったと思われます。

 一方で、昨年の大阪府内の建設業における死亡災害は、8月末には一昨年同期の2倍となる10件を数え、920日には大阪労働局労働基準部長より「建設業における死亡災害の防止について」の緊急要請があるなど、由々しき状態にありました。その死亡災害のうち半数以上を墜落・転落災害が占めていることも併せまして、建設現場で作業する全ての方の健康と安全を守るべき私たちは、これを真摯に受けとめなければなりません。

 当支部では、支部独自の安全衛生活動である「ご安全に運動」に年間を通じ取り組んでおり、その一環として10月から11月にかけて、現場における安全衛生管理に役立ててもらうべく、「ご安全に運動研修会」を各分会で開催しました。昨年は「パトロールの指摘事項」をテーマに、店社安全衛生パトロール等で是正すべき指摘を受けた事例について是正前後の状況を写真で示すことによって、安全衛生管理のポイントを理解いただき、現場における安全衛生水準の向上を目的とした研修会を実施しました。

 また1110日には、大阪労働局と合同で府内12現場に対して「ご安全に運動パトロール」を行い、「ストップ・ザ・ついらく」や「命綱GO活動」の実施状況を確認し、フルハーネス型安全帯の使用を含めた墜落・転落災害の防止を呼び掛けました。

 大阪では、2025年に開催される大阪・関西万博に向けた関連工事がいよいよ本格化し、工事量の増加が予想されます。工事量に比例して労働災害が増加することのないよう、当支部といたしましては、引き続き、安全な作業床の確保や新規格の墜落制止用器具の使用の徹底等により墜落・転落災害の撲滅を目指す「ストップ・ザ・ついらく」をはじめ、「ご安全に運動」を強力に推進します。併せて、コロナ対策を講じながら、安全衛生パトロールや研修会などをより一層積極的に実施することで「労働災害ゼロ」を目指してまいります。また、種々の法令改正に対応した技能講習や安全衛生教育等の充実を図るとともに、労働災害撲滅の輪を広げるべく非会員会社への加入促進活動にも注力してまいる所存です。

 ご関係の皆様方におかれましては、今後の当支部の事業活動に対しまして、倍旧のご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 結びにあたりまして、本年が無災害かつ安全で安心できる明るい年となりますよう、また、当支部会員の皆様方をはじめ、関係各位のさらなるご発展とご健勝を祈念いたしまして、新年のご挨拶とさせていただきます。「ご安全に!」