【大阪労働局・健康課長】令和2年を振り返って

大阪労働局 労働基準部 

健康課長 佐光 和夫

 建設業労働災害防止協会大阪府支部、同会員事業場の皆様には労働者の健康確保対策について、格別の御理解と御協力をいただき、厚く御礼申し上げます。

 さて、大阪では今年に入っても緊急事態宣言が発出されコロナ禍での対応が1年以上経ち、建設業界では各現場の管理では、密の解消に向けて大変な御苦労が続いていることと存じます。特に夏季においてはマスク着用が求められるなか、各現場で様々な工夫を施された対応がございました。

 健康課では全国労働衛生週間期間中には、例年「職場の健康づくりフォーラム」を開催していますが、昨年は残念ながら大阪労働局YouTubeチャンネルでの開催となりました。今年度のフォーラムでは、新型コロナウイルス感染防止対策に係る好事例の収集については多くの現場から報告をいただいたこと、YouTubeチャンネルも多くの方の視聴をいただいたことにつきまして、この場を借りて御礼申し上げます。

 今年に入りましても大阪では感染による死者数の割合が全国最多を記録した日もあり感染防止対策の継続が重要なものとなっています。厚生労働省では各事業者に対して、『職場における新型コロナウイルス感染症の拡大を防止するためのチェックリスト』の普及とそれに基づいた管理等の徹底をお願いしているところです。建設業界ではすでに現場所長などトップの主導、5S活動の推進、KY活動、リスクアセスメント手法による密となる場面の洗い出し及びその対応など従来の安全衛生管理手法が役立てられているものと思います。

 これからの安全衛生管理は関係法令の遵守だけではなく、新たな機械の開発、新規化学物質が多く生まれる中、事前に危険な場面の洗い出しを行い、可能な方策を迅速に講じるということが求められています。刻々と現場が変化する建設現場では相当な困難が伴いますが、トップ主導のもと引き続きの御対応をお願いします。最後に、建設業界関連の法改正は石綿、溶接ヒューム、ベンジルアルコールなど数多くありますが、効果的な広報の展開に努めて参りますので、引き続き御支援と御協力をよろしくお願い申し上げます。